画像元:https://youtu.be/kczb7IJJg0g
話題の『この世界の片隅に』を観てきました!
いや〜、前々からこの作品は知っていたので、期待作だったんですよね!クラウドファンディングによって実現された映画なので、何だか思い入れの強い作品に思えて、自分が観てもいいのだろうかと思ってしまいました。
結局観たんですけどね!テヘッ!
感想としてはキャラクターが可愛い!何だか観ていて和みます。喋り方も方言なので特徴的で、妙に聴き心地がいいのです。満足!
穏やかに進む生活風景に、戦争という過酷な背景を忘れてしまい、何だか安心してしまいます。観ていて気持ちいい作品です。
ただやはり戦争があります。戦争という描写を上手く日常生活に落とし込んでいます。これには見事としか言いようがありません。日常の中に、滲ませるように戦争の影があることにドラマティックに、時々可笑しく、残酷に、抽象的に、切実に写しています。
何だか今までの戦争映画とは一線を画すなぁ……と思えた映画です。
是非、続編の作品もあるので、それは是非原作でチェックしてほしいです。
それにしても、こんなに心温まる映画は本当に久しぶりだ。
女優の『のん』さんを声優に取り入れたのは本当に正解だと思います。主役「すず」の性格を見事に反映されており、従来の声優さんだとあそこまで再現できないかも。
というのも、声優さんはプロだから、本当にアニメとして完璧な声を演じることができます。それでも満足でしょう。しかし100点でも120点にはならない。
『のん』さんの声は、どこか、いい意味で「未熟さ」が感じられる声なのです。アニメという非現実の世界をよりリアルに伝える、いや、本来なら欠点なのだが、この映画では面白いくらいマッチングしている。凄い。
それくらい合っていたのです。
とにかくこの映画『この世界の片隅に』は、満点でした。大満足。
それが反映されてか否か、どうやら映画も順調そのもの。
『この世界の片隅に』興行収入が10億円突破 上映も200館超える | HuffPost Japan
やっぱり、良い映画はちゃんと評価されるのですね!
と、ここまで『この世界の片隅に』を思う存分に語り出しましたが、このままでは止まらないので、1つ1つ自分の言いたい事を整理して語っていきます。
今までの戦争映画との比較、『この世界の片隅に』の凄いところを重点に整理していきます。
では、どうぞ!
今までの戦争映画は過剰表現、または脚色しすぎるのでは?
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今まで色々な映画を観てきました。どれも感動の超大作です。泣かせてくれますね〜、泣きますけど。
感動を呼んで、改めて戦争の悲惨さを伝えてくれる名作ばかりですが、今回観た『この世界の片隅に』と比較すると、少し過剰表現が過ぎるのではないかとも思えるのです。
戦争を経験したことのない奴が何言っているんだ!なんて思われるかもしれませんが、僕が批判したいのは「映画の戦争に対する描写」です。戦争を体験した方の証言を疑ったり馬鹿にしたりという訳ではありません。
もちろん、戦争の描写を正しく認識した上で描写しているのかもしれません。正しいのかもしれません。実は『この世界の片隅に』の方が、思っていたよりも当てはまらないのかもしれません。
(もし、『この世界の片隅に』が戦争の描写を正しく描写できていなかったのなら、なぜ高齢者が映画館で思っていたよりも見受けられたのだろうか?高齢者の全てが戦争経験者という断言ではないが、アニメ作品にあそこまで高齢者が多かったのには、正直驚いた。)
しかし、どこか偏っている、パターン化されているような気がします。
必ず泣かそうとする。というか、最後は「泣け」って言われているような気がする。「日常→出兵→戦争→死亡」がパターン化されている気がする。「こうしたら泣くだろ?」感が強い。
多分これにギリギリ当てはまらないのは『硫黄島からの手紙』だと思う。最後は希望を感じさせてくれた。
あと戦争の悲惨さに対する描写が強い。戦争経験者はどれも不幸で絶望しか味わっていない。でも何だか、『この世界の片隅に』は、確かに戦争は希望なんてない。絶望しかないのかもしれないし、苦しみしか味わってないのかもしれないけれど、あの時代にしかない暖かさを表現できていたと思う。
苦しみしか見出せない戦争には、確かに泣くことしか出来ないのかもしれない。でも人は笑うことができるし、誰かを愛することができる。
そんなことを、『この世界の片隅に』はしみじみと感じさせてくれるのです。
『この世界の片隅に』の凄いところ。
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まず最初に上げたいのが、キャラクターが可愛い。それだけでなく活き活きとしている。
デフォルメ化されたキャラクターなのに、まるで本当に生きているように見せてくれる。動きが豊かな感じを受けさせてくれます。生活感が凄く良く感じさせてくれる。
またキャラクターが個性豊か。様々な性格のキャラクターが、様々な表情をさせてくれます。
それから以外と細かい、当時の生活風景を描き出しています。習慣から食事、服、建物などをリアルに伝えてくれています。
抽象的な表現も面白かった。まさかワニが出てくるとは……
それから外せないのは日常生活の描写。暖かな生活に照らされながらも、戦争の背景を忍ばせている。明るいながらも時代をしっかりと捉えさせ、引き込まれます。
最後に自分が言いたいこと。
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『この世界の片隅に』は、戦争という中で人々の、本当に生活に根ざした一般人の日常の生活を切り出したような作品です。戦争という過酷な時代でも、例え苦しくなっても、それでも逞しく生きる普通の人々を描いています。
僕たちは、戦争が『悲惨』だという印象を持っています。それは事実でしょう。しかし、どうもそのイメージが先行し過ぎて、当時の人々の一人一人の生活を見ることが出来なかったと思います。
我々は、戦争時代の悲惨さを知るだけでなく、もっと当時の日常生活の暖かさを知るべきなのかもしれません。
以上!
P.S.少し真面目すぎたかな?